ひょうたん形で鮮やかなだいだい色
「春日ぼうぶらどんたちゃ 尻ぴゃーで花ざかり 花ざかり ピーチクパーチク ひばりの子」。春日ぼうぶらは、熊本民謡「おてもやん」に名前が出てくる伝統野菜です。ひょうたんの形をしたかぼちゃの一種で、昭和30年ごろまで農家の庭先によく植えられていました。表面はくすんだだいだい色ですが、中身は鮮やかなだいだい色をしています。長さ50㎝ほどまで成長するものもあります。
「戦時中は、春日ぼうぶらとたまねぎ、にんじんを混ぜてメリケン粉(小麦粉)で練って作ったこねりをよく食べよりました」とは、熊本市御幸西で今でも栽培している人の話です。
この人の実家では、春日ぼうぶらが庭先に植えられていました。「ひょうたん形の黄色いかぼちゃが、作業小屋の天井につり下げられて保存されていたのを思い出します。かぼちゃといえば、昔は春日ぼうぶらばかりだったね」と懐かしそうに話します。
「2年前、熊本市春日に住む親戚訪ねたとき、春日地区で栽培保存されている春日ぼうぶらに久しぶりに再会しました」。種を分けてもらい、4月初旬に庭先の畑に種をまいたところ、1週間もすると芽を出し、勢いよくツルを伸ばしたそうです。
農薬も使わない、まったくの自然栽培です。「9月末から収穫し始め、霜が降っても元気。昔のもんは強かね」と、4株植えて30個ほども収穫したそうです。甘みがあり、きれいなだいだい色しているので、ポタージュスープやムースなどの料理に向いているといいます。「いま健康でいられるのは春日ぼうぶらのおかげかな」と笑いました。
ひご野菜のこんだて
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【レシピ】春日ぼうぶらようかん