水前寺のり
日本固有の淡水性ラン藻
スイゼンジノリ
出荷時期
通年(養殖もの)
発生地の一つが国の天然記念物で、絶滅の危機が叫ばれているらん藻類の一種。大きさは通常2〜5cm程度。成長するとちぎれて増殖する。緑褐色ないし茶褐色の寒天質の塊で不定形である。江戸時代には、細川藩から幕府への献上品として大切に保護・育成され、高級郷土料理の素材として珍重された。

江戸将軍家へも献上した珍味

水前寺のりは、年間の水温が19℃前後のわき水にしか育たないデリケートな藻類です。大正13年に国の天然記念物となり、熊本市の上江津湖の一部が指定されました。しかし、昭和28年の“6.26水害”により栽培面積が激減し、現在、水前寺のりを栽培しているのは、熊本市の限られた農家が、昭和35年ごろから、わき水が豊富な上六嘉(上益城郡嘉島町)で養殖しているだけとなりました。
 その後、水前寺のりが絶滅状態にあることから、幅4m、長さ25mほどの養殖池を4つ設け、地下水をくみ上げ養殖に取り組み始めました。「水前寺のりを作るのはむずかしく、試行錯誤の連続でした」とのこと。一定した水の流れを確保すること、夏の日光をさえぎること、害虫防止に天敵を利用するなどさまざまな工夫を凝らし、年々収穫量も増えています。
 水前寺のりは、江戸時代には細川家から徳川将軍家への献上品でした。現在でも、珍味として知られています。水前寺のりを料理に使っている熊本市の料亭では、「水前寺のりは弾力性食感が特徴。煮物、汁物など料理を選ばないパーフェクトな食材です。栄養豊富でお肌にもいいと、特に女性には人気があります」と、食材としての魅力話してくれました。
 また、最近になり、水前寺のりからサクランという物質が発見され、化粧品などの原料としても注目されています。「水前寺のりの特質が生かされて、種が守られ生き続けることができたら、それが何よりです」と栽培農家では語ってくれました。


ひご野菜のこんだて


水前寺のりの土佐酢和え
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2012年04月11日更新