水前寺せり
セリ科
セリ
出荷時期
11月中旬~4月
水前寺・江津湖周辺の豊富な湧水を利用し栽培するため、アクが少なく、香りと色合いなど品質がよい。春の七草の筆頭に挙げられる季節野菜で、熊本の春を満喫させる風味を楽しめる。

冬に鮮やかな緑の絨毯が広がる




豊かな湧水をたたえる江津湖の南西に広がる熊本市画図地区の田んぼの中に、鮮やかな緑の絨毯が点々としています。水前寺せりが栽培されているせり田です。せりは正月料理に欠かせない香物です。雑煮に、鍋物、吸い物と用途が広く、春の七草の筆頭に挙げられます。清水がわき出るところに競り合うように生えることから、その名が付けられたともいわれています。 
 画図地区で、水前寺せりの栽培が始まったのは20年以上前のこと。現在は10数軒の農家がせり生産部会を結成して栽培しています。栽培農家は、「きれいな水がいつも流れとらんと、おいしいせりは育ちません。このあたりは地下水が自噴し、水温が一年中18度前後なので、よかせりができる」と話します。現在、栽培されているのは「京せり」という品種です。
 5月の連休が明けると、1アールほどの専用の田んぼで苗づくりが始まります。9月初旬から10月中旬にかけて、15㎝ほどに切った苗を3、4回に分けてせり田に植え付けると、苗の節から芽が出て、根も伸び始めます。11月中旬から収穫が始まり、翌年の4月いっぱいまで続きます。
 収穫期には鴨等の野鳥が、せりの一番おいしい新芽や根元を食べてしまいます。「せりの栽培で、一番大変なのは天気と鳥」といいます。収穫されたせりは作業場に運ばれて、長さを合わせ、新芽と枝2本を残してたばねられます。根を付けて出荷かするものを「根付き」。根を切ったものは「根切り」と呼んでいます。主に名古屋や大阪などの大都市圏に出荷されるほか、学校給食にも使われています。
 せり生産部会は栽培農家の高齢化が進み、後継者が少ないという問題があります。今後は、生産者にとってせり栽培を魅力あるものにするために、販売や技術向上に力を入れ、せり田の緑を守っていくのが役割です。


ひご野菜のこんだて


水前寺せりの白和え

水前寺せりの香りご飯

水前寺せり入り油餅
【関連ホームページ】
2012年02月27日更新